多重人格の恐ろしさ
こんばんは。今日は多重人格について語りたいと思います。
さっそくですが、多重人格って聞いてなにを最初に思い浮かべますか?
人狼とかの容姿まで変わってしまうものは多重人格とはいいません。突然変異といいます。
生まれた時から脳が二つあった・・・といういう人外じみたものもカウントしません。
実はこの多重人格を語る際に事前に知っておかなければならない「精神的ダメージの耐え方」というものがあります。まあ以前の記事「自己同一性の話」の後半を読んでいただければ分かることですが、ちょっとおさらいします。
「ばか」「あほ」などと言われたときに、ムカついてしまう、これはよくあることです。
しかし、自分が暴力に出てしまえば、自分が悪者になってしまいます。だから動けない。
こういうときに、「自分は自分でない」と脳に言い聞かせることで罵声に対して強くなる、
これが、以前に自己同一性の記事で書いた内容になります。
しかし、これには副作用があります。たとえば、宝くじでいきなり1000万円が当たって、信じられないと思った時に、脳はいったんめまいを起こさせることでその「1000万円が当たった」という事実を受け入れるまでの時間を稼ぎます。とても意味不明に見えるかもしれませんが、こうしないと最悪、死に至ることもあるので、むしろ当たり前なのです。
このときに発生する副作用は、「めまいが起こる」に当たります。
別のケースを考えてみましょう。交通事故が起こって親族の方を失ってしまった時、
特にそれが幼少期に起こってしまった場合には、脳がその記憶を抹消させ、事実を自ら隠蔽する」という例が挙げられます。俗に言う、「記憶喪失」という現象です。副作用として記憶を失ってしまう代わりに、自分自身は親族の記憶を持っていないと言い聞かせ、まるで会ったこともないかのように忘れてしまいます。
この程度なら良いのですが、この様々な防御本能の中でもっとも危険な副作用にあたるのが、この「多重人格」によるものです。多重人格が起こる原因は、「この出来事を知りたくない」「しかし、この記憶は必要だ」という2つの交錯する思いから生まれます。その記憶を持つ別の人格を脳に形成し、脳が必要な時に人格を交代させるのです。
この別の人格にはさまざまな権利が与えられます。からだを操作する権利にとどまらず、
ねつ造した記憶を植え付ける権利、以前の人格のデータを破壊する権利を持ち合わせていることもあります。別人格のときの記憶がなかったり、口調が急激に変わったりするのは
たいていこれが原因とされています。
そしてさらに恐ろしいのが、記憶の統合です。多重人格が深刻化してくると、脳が「この人格の時の記憶を消す」というタスクを失敗してしまうことがあります。多重人格である以上、脳内での記憶の整理が複雑になり、記憶が飛んだり、無くなったり、ひどいときは言葉が喋れないというレベルにまで達することもあります。3重人格や5重人格のようなレベルになってくると、むしろ脳が慣れてしまってこういうことが起きないとも言われていますが、
人格が増えるともっとも恐ろしい意識の統合が待っています。
意識の統合は、言ってしまえば「いまのあなたが消える」ということです。別々に記憶を管理するために生まれた多重人格のうち、以前のあなたが管理する意識体に存在意義がなくなった時、脳は意識の統合を行います。
びっくりするかもしれませんが、人生ではほんとうによくあります。たとえば、あなたが2つの部活動に参加しているとしましょう。その2つの部活の仲は悪いですが、あなたはどっちも捨てられず、部活Aをいつものあなた、部活Bを新しい人格のあなたが過ごしていたとします。ある日、部活Aが急に解散してしまいました。あなたの居場所はなくなってしまいました。分ける意味を失った人格は統合し、もともとのあなたを破壊します。
本当に面白い話です。なにせ、自分を守るための本能が、自分を破壊するのですから。
多重人格は他人事ではありません。いまのあなたが別の人格を持っていても不思議ではないのです。
対処する方は、「自分の言動や身なりについて、絶えず人に聞くこと」です。
あなたには絶対に多重人格を見抜けませんが、あなたの2つ以上の人格を見ている人は
けっこういます。とくに自宅で一人だけのときに別の人格が現れるような人でも、家に呼ぶ親友がいれば、その親友が気付いてくれる可能性はとても高いです。
よい友達を、持ちましょう。
それではまた。
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