自己同一性について考える

こんばんは。今日のお題は「自己同一性」です。

なので自己同一性について語っていきたいとおもいます。


ただ、「自己同一性」っていうのが分からないこともあるかと思いますので、

ちょっとした説明を最初にさせて頂きます。


単刀直入に言いますと、「自分が自分である」ということです。

式を数学的に解釈し、「自分=自分」と書いてしまえば、

答えが真(true)なのは明白です。


ところがどっこいよっこらせ、そう簡単にはいかないものなのです。

簡単に偽となる例を挙げるならば、世の中には

心が女、体は男として生まれてくる人間」というものが存在するからです。


その人間をX=男としましょう。f(X)=自分の容姿、 と置いてみてください。

Xは鏡に立つとします。ここで鏡は引数nを1つ受け取り、そのf(n)を返すとします。

鏡はXを受け取り、f(X)=男を返します。Xはそれを見て、「if(f(X)==X)」を調べます。

不思議なことに、自分は女ではなかった!となるわけです。


容姿だけではありません。「自分がこんなことするわけない」

「自分にこんなことができるはずがない」「自分がこんなことをしたなんて信じられない」

・・・皆さんも経験したことがあるかと思います。


こんなこと、プログラムの世界ではしょっちゅうあることです。

「光センサがついていないのに光センサの情報を得ようとするプログラム」とか、

マジでこれです。「自分に光センサがないわけがない」と、エラーを吐きます。


機械は疑わないから良いのです。あなたは、自分が自分でない、という情報にたどり着いた時、ほぼ間違いなく、「自分が自分ではないのではないか」と疑うことがあるでしょう。

脳はあらゆる可能性を疑います。


「人の細胞なんて三か月経ったら全部変わってるんだから別人だろ」というツイートが

以前回ってきましたが、その時私は思いました。「今の自分は本当に三か月前の自分とは

別人なのか?」と。

3か月以上前の記憶はあります。しかしそれはなんの証明にもならないのです。

Xを証明するにはXより後にそれを証明する事実が必要なのです。


今のあなたは本当にいつものあなたですか?そう聞かれて、なかなか「はい」と

答えられない人が世の中にいます。自分は自分ではないのではないか、という

疑いが心の奥にあるのかもしれません。


脳はたったひとつ嘘をついただけで、自己同一性の障害を生み出します。

その嘘を他人の口からきくと、自分の情報と合っていないことが分かるからです。

嘘は泥棒のはじまりではありません、自己同一性を失う一歩の始まりなのです。

嘘は罪悪感の根源ではありません、自己同一性を失う一歩の始まりなのです。


しかしながら、自己同一性を失うことが必ずしも悪いことかというと、

そうではありません。


遊戯王では、自分フィールド上のカードを破壊することでコンボを行ったりする

例がよく見られます。自分に対して被害が生まれることは永久の損害ではないのです。

「人の細胞なんて三か月経ったら全部変わってるんだから別人だろ」を思い出して

ください。自分が別人であることを受け入れ、自己同一性を失えば、自分を対象に

発動する誹謗中傷や暴言を完全に無力化することができます。

自己同一性を失う失うことで、精神ダメージをすべて無効にできるのです。


戻ることも簡単です。自分は自分であるか?という問いに自ら「はい」と答えるだけです。

他人に「いつも通りだよ」と言ってもらうだけでも戻ることができ、汎用性に優れます。



みなさんも自己同一性を失うことを利用して、自分に対して不利な世界を

乗り切ってみませんか?

いつでもつらいときは、自分ではない何かにすがり付けばよいのです。

自分を忘れて、生きていく。これが、人間の本当の生き方なのかもしれませんね。

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