~勉強したくない理由~

「なんでこんなことをしたの!?理由があるならちゃんと言いなさい!」理由が,ないわけはない.ただ,その理由はあなたを満足させる理由ではない.

なにかするには必ず動機が存在する.「なんとなくやった」なんてことはない.ムシャクシャしてやった,というのは立派な理由だ.脳は様々な情報から判断し,自分にとって最も望ましい結果を求めて行動を行う.あなたがいまプレイしているソーシャルゲームも,あなたにとってそのゲームをプレイする時間がなにもしない時間よりも望ましいと,脳が判断しているに過ぎない.しかし不思議なことに,ゲームが終わると,「なんでこんな無駄なことに時間を使ったんだ」と,脳は思ってしまう.おかしな話だ.

勉強もそうだ.勉強することはとても大事だ.これは,将来役に立つからというだけではなく,未来のことを少しでも考えれば勉強が大切だとわかる.しかし,何もしない時間よりは勉強をする時間のほうが,苦痛に感じることがあるだろう.ここでみんなに覚えてほしいこと,それは「割引利得」の概念である.


割引利得とは,同じ価値のあるものでも未来に手に入るほど価値がない,ということを示した係数だ.

簡単に説明しよう.君が今,唐突に1万円もらうのと,1000年後に1万円もらうのとでは,どちらが嬉しいだろうか?人間は,必ずといっていいほど今1万円がほしいのだ.

人間は,同じ価値のあるものでも,後にもらう場合はそんなに嬉しくない.これは,お金に限った話ではないのだ.だから,「今100万もらうのと,10年後に1000万もらうのだったらどっちがいい?」と聞くと,案外「今100万円ほしい」という人が多い.


勉強は,これをマイナスの数字で考えたものだ.

「今勉強するのと,後で勉強するの,どっちがいい?」と聞かれたら,どちらがつらいだろうか?人間は,必ずといっていいほど後で勉強したいのだ.

人間は,同じつらさの勉強でも,後で勉強する場合はそんなに辛くない.これは,勉強に限った話ではないのだ.だから,「今出頭して5年の禁固刑で済むのと,逮捕状が出てから捕まって無期懲役だったらどっちがいい?」と聞くと,案外「無期懲役」という人が多い.


嬉しいことがあるとき,それを今すぐほしいと思うのは,あなたが悪いわけではない.

つらいことがあるとき,それを後回しにしてしまうのは,あなたが悪いわけではない.

人間の性質上,どうしてもそうなってしまうのだ.


ここで,将来がもつ影響度を割引利得と呼ぶ.

筆者の割引利得は,ものによっても異なるが勉強に関していえば[約30% / 年]くらいだ.

割引利得[30% / 年]というのは,例えば

1年後に1000万円もらうとしたら,それは今300万円もらうのと同じくらい,ということだ.

割引利得[50% / 日]というのは,例えば

明日,1000万円もらうとしたら,それは今500万円もらうのと同じくらい,ということだ.

明後日,1000万円もらうとしたら,それは今250万円もらうのと同じくらい,ということだ.


割引利得が高い人間は,将来のことをしっかり考えて行動する.

割引利得が低い人間は,目先の利益に騙されやすい.

受験勉強・試験勉強を率先してするためには,だいたい [5% / 年] くらいの割引利得が必要になる.

この割引利得はどうやって上昇させたらよいか.

勉強しない人は,勉強して成功した人が身近にいないことが多い.

絵を描かない人は,絵を描いて成功した人が身近にいないことが多い.

スポーツを嫌う人は,スポーツをして成功した人が身近にいないことが多い.


その目に成功例を焼き付けると,その炎は心にも点火する.いわゆる,熱心というやつだ.

大会やコンペティションは,かならず優勝者が現れ,成功例がいやでも身に付く.

だから,みんながこぞって努力を始めるのだ.

勉強も,大会を開けばみんながきっと勉強するだろうと思う.

昔は,大学にいけるほどの学力など皆もっておらず,学力は最強の武器であった.

いまは,もう武器ではない.勉強は最低限できて,ネットリテラシーのほうが大事だ.

国民は,ネットリテラシーがない者がことごとく失敗しているのを目に焼き付ける.

そして,みんながこぞって努力を始めるのだ.

だから,勉強をするのは苦だが,ネットリテラシーを学ぶことには意欲的な学生が非常に多い.とても分かりやすい.


前に僕はとてもひどいことを言った.「学校で,最下位の成績をとった人を毎年ひとりずつ,無期懲役に処してみてはどうか」と言った.それならきっと勉強をすると思うが,

それは勉強をしても使い方をしらない人間が生まれてしまうと思う.

私は,勉強が未来に役に立つ,ということをどうにかみなさんに伝えたい.みなさんの勉強に対する割引利得をもう少し高めたい.それは,永遠に【勉強ができた人たち】に課せられた課題だと思う.


そうだ,あなたは,勉強をしたいと少しでも思ったことがあるだろうか.

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