風が吹けば桶屋が儲かる

日本にはこういうことわざがあって、まさに真理であると思います。一見どうでもいいと思っていたことが、ひょんなことから辻褄を合わせて事件に関わってくる・・・なんともすばらしいです。

これは連鎖律(確率的推移律)によって容易に証明することができます。

「Aならば90%の確率でB、Bなら90%の確率でC」という前提が存在すれば、「Aならば約81%の確率でC」というのが直観的に感じられます。("約81%"と書いた理由については、AでないのにBであるケースをベイズの定理で考えてみてください)

このAとCの関連性が私たちの直感で理解できなければ、それは風が吹いて桶屋が儲かっているように見えるわけです。

これはA~Eの5つの場合でも、もっと言えば20個くらいの事象が連結していた場合でも

成り立つことがあります。(ただし、それ相応に確率が高くなければなりません)

実際には3~6個の連結で、それぞれは90%レベルの結合である場合がほとんどです。

例えば、「ゲームをしている人は成績が悪い」というのも、仮に"ゲームと勉強に使える時間は全ての人間で同一時間である"という理解不能な前提を用いれば「ゲームをする時間が大きい⇒勉強に使える時間が短い⇒成績が悪い」というような理不尽な答えを導き出すことができます。

12月になると警察がスピード違反を捕まえだす理論も裏に「12月に捕まえた人数が評価される」という偏見を加えれば「12月になる⇒警察は捕まえた人数を増やしたい⇒ネズミ捕りに励む」というような繋ぎを作ることもできます。

3月になると道路工事が増える理論も「3月になる⇒予算を決定する場合が多い⇒予算は前年度の予算から決定される場合が多い⇒今年はお金をあまり使わなかったので減額される可能性が高い⇒今年の使用額を急きょ増やしたい⇒道路工事をする」というように、多少の予想があればあっさりと解決できます。

世の中にはこのように思っている以上に不可解な理由で世界が動いていることが多く、以前にブログで説明しました大局観に近いものがここにも存在していることがわかります。

それにこの理論は正しい必要はありません、「そう思う」という自分の観点が、重要なんです

今日はそんな例を淡々と紹介していきましょう。



「煙草の吸殻が増える」⇒「掃除に人材を割く」⇒「人手が足りない」⇒「仕事場が増える」

「汚れた黒板消しをはたく」⇒「空気中にチョークの粉が飛ぶ」⇒「ぜんそくが増える」

「ふでばこをなくす」⇒「鉛筆がない」⇒「普段授業を受けているときと違う」⇒「いつもと違って勉強に集中できない」

「テストで悪い点を取る」⇒「怒られる」⇒「ふてくされる」⇒「気が散る」⇒「寝られない」

「テストで悪い点を取る」⇒「怒られる」⇒「自覚する」⇒「勉強する」⇒「成績が上がる」

「冷たいデザートを食べる」⇒「胃が冷える」⇒「体調が悪くなる」⇒「トイレに行く可能性が高い」⇒「トイレが汚いと店の評価も落ちる」⇒「トイレが綺麗に保たれていることが多い」

「怒られる」⇒「正座をさせられる」⇒「血流が悪くなる」⇒「不健康な体になりやすい」

「なんでもできるようになる」⇒「なんでも頼まれるようになる」⇒「自分の時間が取れなくなる」⇒「趣味に割ける時間が減る」⇒「人生を楽しめなくなる」

「試験に受かる」⇒「受かったことで喜ぶ」⇒「目立つ」

「試験に落ちる」⇒「受かった人が目立っている」⇒「落ちている人は相対的に目立たない」⇒「合格体験記は多いが不合格体験記は少ない」

「パスワードが4桁から6桁になる」⇒「6桁のほうが入れたいパスワードとして有名なものが絞られる」⇒「同じパスワードが使用されやすくなる」⇒「パスワードの効力が落ちる」

「曲の音圧を上げる」⇒「音の入るスペースがなくなる」⇒「効果音などを同時再生した時に効果音が聞こえにくくなる」⇒「音ゲーで効果音がなっても曲のほうが耳に入る」⇒「いい譜面だと感じる」

「曜日で予定を覚える」⇒「同じ曜日は7日に1回」⇒「あいまいになりがち」

「日付で予定を覚える」⇒「同じ日付は1年に1回」⇒「はっきり覚えやすい」

「課金する」⇒「強くなる」⇒「評価される」⇒「それをみて課金者が増える」

「親が金持ち」⇒「子の学業にお金を投資できる」⇒「賢くなる」⇒「高レベルの大学へ合格する可能性が相対的に高い」



まあこうやって予想していくうちでもたいてい半分は当たります。逆に言うと半分くらいはずれます。「あーでもそういわれたらそうだよなー」みたいな感情を誘うのが結構得意なこのことわざ、まさに「つじつまあわせ」の達人ともいえることわざです。


みなさんも世の中に隠された「風」と「桶屋」を探してみましょう!

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