" ~ を x とする " ← なんで?
家を掃除していたら,昔受けたテストが出てきたんですけど,それを見てすごい
思うことがありました.それは,とりあえずいろんなものを x としているということです.
これが原因で,高校1年生のときには,数学は本当に14点とかいっぱい取ってました.もちろん,100点満点のテストで,ですよ?
だから僕は,数学が苦手です.
思えば,高校二年生に理系という道を選んでからというものの,何度もxというものを見てきましたし,それはほとんどの場合,良く分からないものを,良く分からない記号に置き替えただけのものでした.
いまでこそ,どうして「x」という記号を使うのかという最初の疑問の答えすら,僕にはわかりません.それでも僕は,なにか分からないものを見ると,xと置きたくなるのです.
どうしてxと置くのかは分からないけど,
どうしてxと置きなおすのかは分かる気がします.
それは,「分からないから」だと思うのです.
例えば,チョコボールの縦の長さ3つ分くらいのものさしがあったとします.そして,相手に質問されるのです.
「このものさし,どのくらいの長さなの?」
そんな時,どうやって長さを伝えるか・・・そこで登場するのが,「x」なのです.
「チョコボールの縦の長さ3つ分くらいの長さだよ」
この,チョコボールの縦の長さこそが,「x」なのです.
「15cmくらいの長さだよ」
この,cmこそが,「x」なのです.
何かを伝える時,そこで最も有効な方法は,自分と相手が両方知っている「知識」に着目することだと思います.そこで,我々は,相手の知っている「x」を使って挑戦するのです.
これは,cmやチョコボールの縦の長さが基地でなくても,相手の「知識」さえ知っていれば,その長さを伝えることができます.
「君のお父さんの身長 の 0.09665倍だよ」
「マヌルネコの耳の平均の長さ の 1.66倍だよ」
これは,長さ以外にも使えますよね.比較ができるものなら,なんでも使える.
「僕の家は,君の家の半分の広さだよ」
「試験の回答時間は,50分とする」
そして,倍数ではなく,大小の比較にも使うことができます.
「今日の最高気温は31℃を超える見通しです.」
「おお杉浦くん,もしかして,昨日より痩せた?」
そこまでして分かること,それは,「x」とは,単位でしかない,ということです.
「x」がなんであるかなど,どうでも良いのです.xを使って,他のものを表したいだけなのです.
そして,他のものを表せた時,不思議なことに,「x」は他のもので表せるようになります.
これが試験で問われている,本当に単純なことなのです.
「僕の家は,君の家の半分の広さだ」→「君の家は,僕の家の倍の広さだ」
「今日の最高気温は31℃を超える見通しです.」
→「1℃というのは今日の最高気温の1/31よりも小さくなる見通しです.」
そう考えると,世の中の文章が,とにかく面白くなってきます.
「x」を置くことで他のものが表現でき,そしてその表現から「x」が表現できる・・・
最初はどうやっても表せなかったものが,「x」と置くことにより
その実態を表現できるようになるのです.なんと美しい「x」・・・
「x」という言葉はなくても,我々は生活のなかで「無意識のうちにxを作って生活」しています.
断言するのはちょっと難しいかな・・・でも,きっとそうだと思います.
それを,ただただ難しそうに書いているだけのテスト,面白くないと思うんです.
勉強が嫌いというか,書いてある文字が嫌いという感じがしますよね.
そこでよく考えてみると,数学が得意というのは,結果的に「読み解くのが得意」というのを併せ持っていると思うのです.みなさんが数学だと思っているものは,数学ではなく「計算」なんじゃないかって.
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