線の引き方

僕はよく定規を筆箱に入れています。定規があると、非常に楽です。線なんてフリーハンドで書けばいいやみたいな人が多いと思いますが、どんなに適当な線でも、やはり定規で書くとすっごいきれいに見えます。

フリーハンドの線は、ほかの他人が見ると汚く見えるもんです。信用ならんといいますか、やる気がなさそうに見えるというか、あとからノートを見返すときにも、非常に気分が悪くなってしまうんですね。線の形というのは、それくらい重要なもんだと思うんです。だからこそ、定規を常日頃から使うことは大切だと思います。


なんていうか、私たち、いろんなところに線を引きますからね。線を引くのはなんでやろうってずっと思ってましたけど、線を引くっていうのは、ある意味で「自分に取って、望ましいものを選択する」ためにやるものだと思います。別に直線じゃなくていいんです。いろいろ考えた結果、こういうぐにゃぐにゃな線になりました~~って感じでも、いいんです。丁寧に線を引くのではなく、納得のいく線を引くことが、大切なんですよね。


昔の僕は、こんな経験がありました。中学校時代の試験時間に、余った時間で暇だな~と思って、フリーハンドでモンスターをすみっこに書いて、遊ぶわけです。楽しくなって、下にHPゲージとか書いて試験時間中に遊びだすんですけど、HPゲージを定規を使って丁寧に描いたんですね。するとですよ、途端にやる気がなくなったというか、HPゲージが丁寧なのにモンスターが下手すぎるというか、ちょっと悲しくなって、遊ぶというモチベーションが破壊されてしまったんですね。

そう、線を引くときに大切なのは、「周囲のことを考えて線を引く」ことです。頑張ってノートに普段よりきれいな文字を書いているんだったら、それに合わせて図もきれいにするべきだし、ちょろっとノートのすみっこに殴り書きで書くような図であれば、それはいちいち定規を使わずに、フリーハンドで書いてやればいいんです。周囲に配慮した線引きが重要なんですね。注釈がキレイな文字で書かれてるから、お前もそれなりの図になってね~~、みたいな?

僕は、「どうすればノートをきれいにできるか」ということを考え、"自分に望ましいノート"を目指して、線を引きました。


そんでしばらくして高校生、ノートの文字をきれいに書くようになって、定規を使って丁寧に書くようになるんですね。そしたらですよ、ネットで可愛いキャラクターの画像を見つけて、うわ~可愛い、書いてみたいな~~って思って、紙とペンを持ってくるわけです。

そこで、ペンより先に、定規を持っちゃったんですよ。「いやお前定規で可愛いキャラ描けると思ってるんかい!?」って、今の自分だったら聞いてると思うんですが、当時の僕は本当になんも絵のこと分かってないって言うか、まず顔の輪郭描くのにすら定規がいると思ってたんですね。

そう、線を引くときに必要なのは、「目的に合わせて線を引く」ことです。絵を描くときに必要なのは直線ではなく、曲線です。定規は要らないんです。まあ三角定規とか使う人もいるかもしれませんが、直線という概念にとらわれてはいけないのです。ぐちゃっとした線でもいいし、なんどかフリーハンドで書いて、よかったなって思うものを選択してもいい。まっすぐで完璧な線引きではなく、納得のいく線を書きたいのです。見る人が、納得する線が必要なんですね。「ああ、この線なら可愛さ伝わるわ」「ああ、この線なら分かりやすいわ」みたいな?

僕は、「どうすれば絵をきれいにできるか」ということを考え、"自分に望ましい絵"を描くために、線を引きました。


そんでしばらくして、大学に入って、いろいろやることが増えるわけです。見る人が納得できるような線を目指して、絵に対して日々努力を重ねていきました。ところがですね、全然絵が上達しないんです。キャラクターを描いてもポーズが毎回右向きになってしまうし、窓ガラスを描いても壁から浮いているように感じてしまう・・・面白いでしょう?窓を描いているのに、自分は窓の前にいるのか、後ろにいるのかもわからなくなってしまうんです。なんでだろうと、思ったんです。

絵が全然描けないな~と思って、僕はだらけて机に頭を倒しました。その時です、僕、横から絵を見たんですよ。そして思ったんです。「斜めから窓を描けば、ちゃんと壁にくっついてるように描けないかな」と。

そう、線を引くときに必要なのは、「自分の立ち位置を知ること」です。線を引くうえで、それはどこから見た線なのか。そして、その線を引くことで自分はどのように分けられるのか、それを知る必要があります。窓、つまり、「」という線を書くことによって、自分は壁の前にいくのか後ろにいくのか、それを考えながら線を引く必要があったんです。

「ここに線を書いたらこのキャラは壁の前にいける、でも、植木鉢まで壁の前に来ちゃうな~~」とか、「ここに線を引いたらこの人は内側に入るけど、自分が外側にいっちゃうな~~」とか。

僕は、「どうすれば位置をきれいにできるか」ということを考え、"自分に望ましい位置"を実現するために、線を引きました。


そして、ここで決断のときです。

あなたの引く線は、周囲に配慮しているでしょうか?

周りの人が引いている線を見て、なにか思うことはないでしょうか?

あなたの引く線は、目的に合っているでしょうか?

その線を見て、ちゃんと思い通りの区別ができているでしょうか?

あなたの引く線は、自分の立ち位置が合っているでしょうか?

線を引いた後で、線を見直していると、自分の立ち位置は辻褄が合っているでしょうか?


なんていうか、私たち、いろんなところに線を引きますからね。線を引くのはなんでやろうってずっと思ってましたけど、線を引くっていうのは、ある意味で「自分に取って、望ましいものを選択する」ためにやるものだと思います。別に直線じゃなくていいんです。いろいろ考えた結果、こういうぐにゃぐにゃな線になりました~~って感じでも、いいんです。丁寧に線を引くのではなく、納得のいく線を引くことが、大切なんですよね。



私は今でも、線を引くのが苦手です。

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