環境汚染を気にするなら?

人間は,石油や石炭を燃やしたりすることでエネルギーを獲得し,発電をしています.ところが,石油や石炭には埋蔵量に限界があり,これから新しいエネルギーへの移行が求められています.

特に石油や石炭は,燃やした場合に発生する物質により,環境汚染の問題が深刻だといわれていますが・・・環境汚染を気にするならば,どのエネルギーに移行すればよいのでしょうか?

いろいろなエネルギーを,石油発電と比較してみましょう.


石油発電と水力発電なら,どちらが環境によくないと思いますか?

石油発電と風力発電なら,どちらが環境によくないと思いますか?

石油発電と太陽光発電なら,どちらが環境によくないと思いますか?


これらの質問は,私がはるか昔から聞かれ続けてきた質問です.

小学生の道徳の時間,中学校のホームルームの時間,高校の化学の時間・・・

きっとみなさんも,何度か考えさせられたことがあるでしょう.


発電方法はたくさんあるので,どれが最も良いか,というのは意見が分かれるところです.

しかし,環境によいか悪いか,で言えば

水力発電,風力発電,太陽光発電などの方法はかなり環境に悪影響を及ぼすといえます.

まあ,中学校までの授業を聞いていればなんとなくわかる気もしますが,私は

結構長い間,それも,おそらく高校生になるまでの間,ずっと石油発電が最も環境汚染をしていると思っていました


なぜ私がこのような勘違いをしたのか・・・それは,小学生時代の陽動から始まります.


小学校5年生の時,電力に関する道徳の授業,そして,総合の時間で社会見学がありました.

社会見学で,私は聞いたのです,「水力や太陽光は,クリーンなエネルギーだ」と.

この時,私は騙されたのです.小学生である私には,考える脳がありませんでした.

何をもってクリーンなエネルギーなのか,そうか,環境にやさしいということか!

そのくらいにしか,頭が働かなかったのです.

クリーンなエネルギーというのは,「再生するエネルギー」という意味合いでした.

太陽光は,無限に湧きます.実際には無限ではありませんが,私たちが生きているうちは無限に湧いてくるようなものです.水力も雨さえ降れば無限ですし,風力だって,風は強かれ弱かれ,常に吹いています.そういう,無限に湧いてくる都合のいいエネルギーを,「クリーンエネルギー」と呼んでいたのです.


この勘違いから3年が経ちました.私は,山に登り,川で遊びました.

ある時,気が付いたのです.川の幅が,明らかに去年よりせまいことに気が付きました.

上流へ上ると,見たこともない大きな岩が川をせきとめていました.特に意味はなく,

水がどこかにこぼれているわけでもないのです.ただ,大きな岩があっただけでした.

同時に,川の幅が狭くなっているのは,明らかに砂が溜まっているからなんだと気が付きました.

私は,当時理科で習っていたことを思い出しました,

そう,川を流れる水のちから,「おしだす」「けずる」「つもらせる」です.

岩によって,川の水が一度せきとめられ,力を失った水が,砂や泥を川につもらせてしまい,川の幅が狭くなっていたのです.

その日,祖母にも内緒で,川で遊ぶといいながら,必死に一人で砂を川の外に運びだそうとしました.

力が及ぶはずもなく,その翌年には,私が川の魚を見ることはありませんでした.

1年かけて気が付いたことは,水のスピードを奪うという,たったそれだけのことが,環境,いえ,水中の生態系を一つ破壊してしまうほどの汚染効果があったということでした.

わたしは,クリーンの意味を,初めて疑いました.


それからというもの,私はありとあらゆる人間の環境汚染を見てきました.

そしてそれは全て,水力発電,風力発電,太陽光発電をそれぞれ批判するものでした.

暑い夏の日,風がない部屋にいるだけで,空気の循環が悪くなり,明らかに居心地が悪くなるのを感じました.風力発電は,風のパワーを奪うのですから,森をこんな気分にさせているのかもしれません.

毎日暑いからと,帆を貼って大きな日陰を庭に作ったりもしました.一か月もすると,庭の植物は軒並み枯れました,太陽光発電は,光のパワーを奪うのですから,植物をこんな気分にさせているのかもしれません.

よくよく考えれば,当たり前のことでした.石油なんて,だれも使ってないエネルギーなんです.天然ガスやウランもそう,埋蔵金のようなアイテムですから,環境に直接被害が行くはずもないんです.(もちろん,二酸化炭素とか,光化学スモッグとかあるかもしれませんが)

それに対して,自然のエネルギーを直接奪い取る「クリーンエネルギー」は,直接自然にダメージを与えているとも言えるわけです.ジャイアンみたいですよね,自然のものは,ヒトのもの.そんなことをしたら,自然がダメージを受けるのは当たり前です.私は,この事実に気が付いたころには,高校2年生でした.


その後も何度か考察をし,結局,自然を守るためには,自然エネルギーを使うわけにはいかない,という結論に至りました.思ったより,石油や石炭による環境汚染は少ないものでした.


「環境汚染が気になるなら,自然エネルギーを使えばいいじゃない」

その言葉は,どこぞの姫君の成れの果てのようにも,聞こえますね.



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