正しく少なく丁寧に

同じ英語の勉強をしているのに,かたやさっき調べた英単語がもう頭から抜け落ちているような人がいる.なぜだろうか.先ほど「optimal」という単語の意味が「最適な」だと調べたばっかりなのに,「最適な」という単語を見ても「う~~ん」と唸っている.

数学もそうだ.回答を見ればそうだよな~という人が多い中で,問題に遭遇してみると解き方がぱっと出てこない人が多いのではないだろうか?


みんなはこの理解の速度が足りていない.これを底上げする方法が一つ存在するのだ.それは「紐は正しく,そして少なくつけること」である.


例えば,まさに目の前に大学受験で使う「赤本」が置いてあったとしよう.「赤本」という言葉から「赤い」という言葉は容易に思いつくだろう.しかし,「赤い」というワードから,咄嗟に「赤本」が浮かぶだろうか?これが意外と,浮かばないのである.

「赤本」という言葉から「赤い」という言葉には紐が付いているのだが,

「赤い」という言葉から「赤本」という言葉には紐が付いていない.


数学も同じだ.問題が解けなくて,回答を見るだろう.回答を見て,「あ~こうやって解くのか!」と理解する.回答を見れば解き方を思い出すのだ.そして次に問題を見ると,あら不思議,もう解けなくなっている.それもそのはず.

「回答」から「解き方」に紐が付いており,

「問題」から「解き方」に紐がついていないのだ.

正しい紐付けができていないと,いくら覚えてもキリがない


英単語も同じだろう.英単語で,例えば「proceed」という単語があったとして,これの意味が分からん!といってコケたとしよう.検索すると「進む,続ける」といった訳が出てきて,そのまま覚えると大変だ.こんどは「進む,続ける」という単語を見たとき,「proceed」という余計な単語が思いつくようになってしまう."進む"ならwalkだけでもいいし,"move"でもいいし,続けるんだったら"continue"でもいいだろう.proceedなんて好んで使うものではない.

「進む,続ける」から「proceed」に紐をつけてしまったがばっかりに,

「進む,続ける」から正しいものを探すのが難しくなるのだ.


漢字で考えれば簡単なことだ,読めたほうがいいが,書けなくていい漢字はちゃんとある.

同様に,英語だって訳せればよくて書けなくてもいい奴はあるのだ.

それ相応の判断力があれば書けて困ることはないが,素も身についていない状態で無理に使わない単語を覚えたりすると,まるで英語版の中二病である.


みんなも,間違った紐付けや,無駄な紐付けを行ったりしていないだろうか?

「参勤交代」から「徳川家光」が出てくるのに,「徳川家光」という言葉から「参勤交代」が思い出せないやつもいた.逆向きの紐付けが必要なパターンだ.

リトマス紙の資料を見ながら「赤色になったら酸性!」とだけ覚えて,本番の試験でフェノールフタレイン溶液が赤色になったので酸性,と答えたやつもいた.「赤色」と「酸性」を紐つけするんじゃない.


暗記ではなく,知識を身に着けるべきだ.

たくさん雑多に終わらせず,正しく少なく丁寧に覚えてほしい.

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