さすがに理論は恐ろしい
やっぱり人間って感情的になりやすいもんですねぇ.後から考えると,なんでこんなことしたんやろ・・・て思うこと,さすがにみんなも持ってますよね.でもその一方で,言われてみると結構考えられてるな~って思うこともありますし,伊達に自分のあのときの考えが間違ってたことはないだろう,ってこともありますよね.
実は,この文章の最初の1行を読んで,「あぁ,そうだよね」と思ってしまったあなたは,騙されやすい性格をしていることが分かります.これを理論として考えたものが,「さすがに理論」です.
「さすがに理論」とは,"さすがに"というワードをつけるだけで,意見に対する賛同者が劇的に増えることを決定つける理論です.以前Twitterでは,アンケートの機能を駆使して
「この2つの項目で1:1を作りたいと思います!母集団を増やすためにRTしてください!」
と呼びかけるようなものが存在していましたが,なんとこのツイートの最初のリプライに「さすがに下だろ」というリプライがあるだけで,アンケートの結果が2:3になってしまうということがありました.人間は,思っているより結構流されやすいです.
ある選択に対して,自分の意見として「こっちがいい」というようなものが決められない人にとって,この「さすがに理論」は脅威となります.「さすがにそれはないだろ」「やっぱりこっちがオーソドックスだよね」「これが妥当かな」「基本的にはこの選択が望ましい」など,適当な言葉の先頭に"さすがに"に似た言葉が並ぶだけで,影響力は跳ね上がります.
「さすがに理論」は,テレビなどでもよく使われている方法です.まず結果を示さずに問題を提示し,「どうなんでしょうね」と問いかけ,コメンテーターが誘導したい方向に意見を飛ばすわけです.「国民としてみれば・・・」「全体を通してみれば・・・」など,別に国民としてみている内容ではなくても,全体を通した意見でなくても,この言葉が付くだけで,人間はかなり流されてしまうのです.
人の意見を聞くことは重要ですが,やはり確固たる自分の意見を持つこと,そして,相手が自分を誘導していないか,ということを常に確認することが重要です.
意見を持たない人間は,動く石ころも同然です.いいように使われてしまいます.
寛容であることも重要ですが,自らなる拒否・拒絶能力を持つことも,人間として扱われるために必要なことです.
"さすがに" これは,覚えておきましょう.
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