アニミズムによる並行次元数の削減

こんにちは,先日全く資料作りが進まず,気分転換にとクローンに関する学術記事を読みました.いや~クローンって面白いな~~と思いつつ,その記事に合わせて,たまたま開いていた偏差値高いだけの馬鹿たちと一緒に,記憶に関する哲学的な議論をしていたのですが,そのとき思ったことをまとめます.


みなさん,もし自分と全く同じクローンができたとしたら,

それは自分と同じ記憶を持つと思いますか?


例えば,クローンが身近にある世界ができたとして,お医者さんに行って,

「私のクローンをつくってください」と一言述べ,クローンが作られたとき,

そのクローンは,自分が「私のクローンをつくってください」と医者に言ったと思っているのかどうか,ということです.この議論は,とても難しいです.

クローンは,どこまで記憶を持つのでしょうか?


この議論を円滑に進めるため,以下の場合分けを考えます.


1.遺伝子構造が同じで,「ヒト」という共通点のみ

この場合はとても単純で,遺伝子のみである以上は赤子と同格ですね.

つまり,言語知能も持たない状態ですので,同じ記憶と考えることは難しいでしょう.

クローンとして商品化される場合にはこれが選択されると考えられます.


2.細胞数や構成元素まで全く同じ,位置・速度が異なるのみ

これがめちゃくちゃ厄介ですね.ただ,位置と速度が異なるというのは,

例えば脳内の細胞間の影響が異なりますから,完全に同じ記憶と考えることはできません.

例えば全く同じ記憶データを管理している脳でありながら,「たんす」という言葉を受け取ったとき,「単位は"さお"」というデータにたどり着くまでの距離が異なる個体が考えられます.データとしての距離が遠すぎるクローンになってしまえば,回答に時間がかかるどころか,答えられない場合もあります.いわば,完全に同データのクローンでありながら,記憶が異なるケースが考えられるということです.これは,物理的な変化による記憶の相違です.


3.原子・分子の絶対座標以外はすべて同じ

これが,完全なクローンです.いわば「並行世界の自分」のようなものになります.

相対位置もすべて同じということですから,同じ記憶を持っていれば,まったく同じ思考に同じ時間でたどり着くことができます.

しかし,この想定が,間違っているかもしれないのです.


ここまでは,物理的・理論的なアクセスを試みましたが,

ここで私がものすごく警戒していることがあります.それは,「アニミズム」の精神です.

アニミズムとは,私たちの記憶に対するとても有力な反例を示し,思考という概念を持たない無機物に対しても命が宿っており,精神を持っている,と考える宗教の一つです.

もちろんのことですが,宗教であり,理論的な肯定・否定は不可能です.

このアニミズムの精神を正しいとするならば,それはまったく同じ物質に対して,果ては物質と呼ぶことのできない単位に対して,記憶を定義することが可能になります.

つまり,アニミズムを肯定すれば,原子・分子の絶対座標以外すべて同じ個体に対して別の記憶を持つ個体を定義することができるわけです.


このアニミズムの肯定は,「未来確定的」という議論に対しての反例となります.

時間・そして三次元空間を合わせた4次元空間上の任意の時間を決定すれば,確定的となった3次元空間が決まります.(俗にいえば,過去を見ることができるテレビなどが開発されたとき,同じ時間を指定すれば,いつでも同じ映像が出てくる,ということです.)

しかし,アニミズムを肯定することができれば,同一世界が定義されても

いずれかの精神体において記憶の異なる世界を実現することができます.

例えば,交通事故が起こる3秒前の世界を考えましょう.

その3秒前の世界が定義されたのち,3秒後に交通事故が起こります.

そして,交通事故が起こる3秒前の世界に移動するわけです.(4次元的移動)

アニミズムを肯定すれば,ここで3秒後に事故が起こったというデータを記憶として持っていながらにまったく同じ分子構造を持つ,いわば3秒後のクローンがいるわけです.

このクローンは,3秒間の間に事故を回避する行動をとることができます.その結果,新しい並行世界が誕生し,未来不確定的な世界が誕生します.この世界は,時間と空間が全く同じ状態から完成しているため,4次元的だということになります.これは,素晴らしいことではありませんか?並行世界を,次元数を増やさずに実現できた,ということになります.


ここまでの定義は,アニミズムによる記憶の定義が時間という次元を持たないことを前提として考えました.(いわば,アニミズムによる記憶の状態を新しい次元としてとらえていないということです.実際,時間に依存するのであれば,時間軸が共通次元となり,アニミズムによる次元の増加はありません)本来タイムスリップ行為は5次元以上でないと不可能だとされているため,そういう意味では,このアニミズムを次元として捉えずに議論をするのはいささか横暴すぎたかもしれません.

しかし,私は未来不確定的であることを証明することのできる否定不可能的な理論がまた新しく登場したことを非常にうれしく思います.


やはり,いつまでも自分の未来は不確定的であってほしいものですね.もしかしたら,一週間後に教授に叱られる自分を感じた並行世界が,いまここにあるのかもしれません.


どんなときも,今,未来を変えられる.そうあってほしいです.


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