無駄？

前に「最も素数らしくない素数」という問題について友達と議論したことがあったのですが、将来なんの役にもたたないよと、言われてしまいました。同様に、1円玉を5000兆枚積み重ねたらどのくらいの高さになるんだろうとか考えたのですが、それも将来なんの役にもたたないよと言われてしまいました。

でも考えてほしいんです。誰しも絶対に無駄なことってすると思うんですよ。例えば名前書くだけのテストとか、無駄じゃないですか。大学ではたまーにあるらしいんですよ。あと、自習の授業とか、体育の時間なのに特に運動してないやつとか、無駄じゃないですか。もっと大きい範囲で言えば、

3月になってめっちゃ道路工事ばっかりするのとか、車線が増えるわけでもないのに超無駄だし、国会で森友問題の話してるときとか国家予算のサイズから比較すればすごく無駄だったと思います。でもね、無駄っていうのはあくまでその行為が無駄という意味ではないんですよ。

例えば、公園とか。特に利用者がいないような公園で、整備にばっかりお金がかかるようであればもう思いっきり無駄だと思うのですが、ドライバーの中には「運転中に公園とか見るときあるけど、木が均等に並んでるだけで気分がいい」とかいうすごい性格の人もいますし、通りかかった人が公園の遊具を見て昔なつかしい思い出をよみがえらせるいいきっかけになったりとか、公園の価値が公園の本来の使い方以外に存在することってけっこうあるんですよ。国会で無駄な会議してるときも、いかに無駄な会議をしているかということを国民に伝えるいいきっかけになりますし、1円玉を5000兆枚積み上げたらどのくらいの高さになるかとか、そういう無駄話をしたんだよという話題で別の人と共有したりできますし、実際笑いをさそう意味では十分すぎました。

そんなとき、たまたま目にとまった動画がこれなんですよ。

これは、日本に存在する「世界一短いエスカレーター」というやつです。

まずその長さは1mすらなく、となりにある階段と比べてみてもその短さにはあきれます。

これを作る時点で明らかに無駄だということくらい分かっていたはずなのですが・・・・

しかもエスカレーターは下りしかなく、せめて上りだろ！という思いもこみ上げてきます。

そのうえ、エスカレーターに続けて普通の階段があり、そこもエスカレーターにしろよ！という

視聴者の声が聞こえてきます。すべてエスカレーターでないということは身体障害を持っている方にとっても十分なサポートではなく、そのために作られたわけではないということでもあります。僕は脊髄反射で叫んでしまいました。

しかし、このエスカレーターは無駄ではなかったのです。こんなにも利用価値と費用を比べてみれば歴然の無駄使い、しかしこの動画では楽しそうに動画主が7回も乗ったと述べており、実際にこの動画の話題性で有名になっています。そう、エスカレーターとしての価値ではなく、エスカレーターがあることに価値があったということなのです。短すぎることに意味があった、というべきでしょうか。

きっとみなさんも、無駄なことに出会うでしょう。古典とかいつ使うだよとか、国語の勉強しなくても十分文章読めるよとか、こんな漢字しらなくても生きていけるよとか、初期微動継続時間とか知ったところでなんの役にも立たないよとか。でもいつか、覚えていたことが役になったり、習ったという事実で話が進んだり、いつしか自分が知りたくなったりと、変な形で役に立つんだと思います。

みなさんもなにか無駄だと感じることがあれば、何か違う使い道を考えて、そのための努力をしてみてほしいな、と思います。"知った"ということに、意味を感じるのです。