ひとりじめが最適な世界

お菓子を買って、複数人で分ける光景、きっとみなさんも見たことがあるでしょう。

例えば2人で3個のお菓子を食べるなら、みなさんどうしますか?

この問題は、とても簡単に見えて難しいようです。とんちクイズなどであれば、1個を半分にすればいいじゃない、という人も、いることでしょう。

私たちは、このような問題を解決する際に、「公平性」「最大幸福」を求めます。


公平性とは、全員ができるだけ同じ量の幸福を感じることです。

例えば、2人で3つのお菓子を分けた時、Aくんが1つ、Bくんが2つ食べているという状況は、

率直に言って「公平性がある」とは言えません。1個を分ける、という発想が与えられていない場合は、1つずつ食べることが最大の公平性になります。


最大幸福とは、全員の幸福の総和をできるだけ大きくすることです。

例えば、2人で3つのお菓子を分けた時、Aくんが1つ、Bくんが1つ食べているという状況は、

余っている一つのお菓子をどちらかが食べればより幸福になるでしょう。

つまり、「最大幸福」とは言えません。


このように、世の中では公平と最大幸福の両立が難しい場面が非常に多いです。

そんなとき、人間はどちらを優先するでしょうか?



正解は、自身の利益の大きい方です。条件を付けくわえるなら、

「最大幸福」を選んだ際の自分の利益が「公平」より小さいなら「公平」を、

「最大幸福」を選んだ際の自分の利益が「公平」より大きいなら「最大幸福」を、選択します。


2人で3つのお菓子を分ける時であれば「自分が2つ、相手が1つ」という最大幸福状態があるので、

公平を選択してひとつを残す、という選択肢は基本的にありません。

この2人のうち、Bくんはものすごくそのお菓子が好きで、1つ食べるとAくんの100倍の幸福がある、という場合には、最大幸福は「Bくんが3つ全部食べる」になりますが、その場合、Aくんは「公平」を主張して1つずつ食べることを望みます。

ゲームなんかで薬草3つを2人のキャラに分けるとき、公平に1つずつ薬草を振るよりも

HPの減っている方に薬草を全部投資したり、ということをすると思います。これもまた、公平性よりも最大総和HPとかを選択しているわけです。(HPが低いキャラクターにとってはHPが増えるという幸福がとても大きいので)

攻撃力が40%上がるアイテム、なんて言われたら、みんなに平等に使わず、攻撃力の一番高いやつに使わせるでしょう。いわば、「ひとりじめした方が、利益が出る」というわけです。


公平か、総和利益か・・・・この問題は、人間や社会の抱えるとても大きな悩みです。

ひとりじめが最適である世界はたくさんありますが、それを許す世界ではありません。

いつか、解決する方法が、見つかると、いいですね。

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