大域論法~嘘ひとつない魔法の言葉~

地球上の男女比はいくつでしょう?まあ1:1くらいかなと思う人が多いことでしょうし、それは間違っていないといえるでしょう。また、男女間で犯罪者が同数いれば、それは「犯罪者の半分が男である」というような偏見を作り出すことも可能です。

ではさいころはどうでしょう?さいころの出た目が偶数か奇数か、と聞かれれば、これは1:1と思って差し支えないのですが、「出た目が5以下かそうでないか」と言われますと、それは5:1くらいになってしまいますね。わざわざ6分割できるというのにそれを変な割り方をしてしまうとこうなります。

では、地球上のすべての人にさいころを振らせて出た目を記録しておいたと仮定しましょう。

さいころの1~6の目すべてで、犯罪者が同数いました。この状況で、「さいころで出た目が5以下の人には、そうでない人の5倍以上の犯罪者がいる」という者が現れたとしたら?こういわれると、どうも聞いた人からすれば「やばい!俺はさいころで5以下を出してしまった・・・犯罪者になるかもしれねえ」と勘違いしてしまう人が現れてしまうかもしれません!実はこれが、「大域論法」と言われる恐ろしい話術なのです!

ほかにもケースはいろいろあります。例えば中国人が10億人ほど、日本人が1億人ほどいたとして、

「中国人には日本人の10倍の犯罪者がいる!だから中国人は犯罪者が多い」と言ってはいけません。

「4種類のトランプから1枚を引いて、スペードを引けなかった人はスペードを引けた人に比べて3倍程度も負けている人がいる、だからスペードを引けると勝てる」そんなわけもありません。

どうでしょう?前提の部分にはなにも間違いがない・・・でも、言っていることはおかしい・・・なかなか否定するのが難しいのがこの大域論法です。


大域論法の最大の問題点は、「母集団のサイズが違うこと」にあります。

さいころを振って5以下が出た人とそうでない人の割合は5:1程度になり、おなじ割合で犯罪者が生まれれば犯罪者の人数が5:1になるのはもはや当然のことです。

トランプでスペードが引けるかも3:1、無作為に選んだ人物が中国人か日本人かも10:1・・・もはや、大域論法というのは当然のことを言っていただけなのです。なぜそれなのに信憑性をわずかなりとも感じてしまう人がいるのでしょうか!?

文章をもう一度見直してしましょう。


中国人には日本人の10倍の犯罪者がいる!       ←人数

だから中国人は犯罪者が多い             ←割合


そう!大域論法というのは、人数比から当たり前の比率を求め、

それを割合のように扱って人をだます話術だったのです!!!


なんとも恐ろしい大域論法・・・これは、だまされないように注意しなければなりません。

でもこの世の中で私たちがそれを見る機会はあるでしょうか?


例えば、学校を考えてください。40人のクラスがあって、なにかの特技に関して、1人だけみんなより下手が人がいたとしましょう。その一人が「あなたか、そうでないか」の確率はいくらでしょう?

それは考える間もなく、1:39になります。これを大域論法に当てはめると、「あなたが短所を抱えている確率よりも、みんなのうちの誰かが短所を抱えている確率のほうが39倍も高い」となります。

当然ですね。これが、いじめに発展します。短所を持つ人がもしいるとすれば、それはあなたではない可能性が高いんです。これはもはや当然のことで、短所の定義が39:1になるように作られているからです。(つまり、私の問題設計によっていじめは生まれた、ということになります。)

信じられない人は同じことを犯罪者でも考えてみてください。40人の成人があつまって、一人が犯罪をしたとすれば、それはあなたか、そうでないか。それも39:1になります。犯罪者のことを見下せる人が39人います。そりゃあ誰かが火をつければいじめなんてすぐ起きるでしょう。

近年ではニュースまとめ投稿サイトなども増えてきています。その投稿サイトが40あったとして、だれか一人がなにかのニュースで虚偽の報道をしてしまったとしましょう。それがあなたのサイトかそうでないかも39:1です。39人が、「あのサイトは虚偽のニュースを報道した」とニュースにすることができますが、そんなことをしても「それはたまたま自分でなかっただけ」となってしまいます。

「あのサイトは虚偽のニュースを報道した」としても

「あのサイトは信用できない」とは言えないのです。(あくまで、全員の誤報道率が同じの場合に限ります。実際にはちゃんと嘘じゃないかとか調べているところとそうしていないところでかなり差があるでしょう)


大域論法は他人のあら捜しをするのにはうってつけです。他人が多ければ多いほど、簡単に人を批判するポイントを見つけることができます。

Youtuberだって視聴者が増えればそれに応じて低評価も増えてしまいます。

コミュニティだって人数が増えれば問題児が現れてしまいます。

大会だって人数が増えれば自分より上の順位の人が増えます。

Twitterだって使用者が増えれば犯罪者の人数も増えます。

でも、大事なのは割合です。人数が増えても、割合が変わらなければそれは「母集団が増えたから」なのであって決してあなたに問題があるなんてことはありません。

また今日もひとつ賢くなりましたね。理不尽な論法にだまされない正しさを持ちましょう。

「へぇ~そうなんだ~」と素直に納得してしまった方、もしかして、

私が全部正しいなんていう偏見を持ってませんか?

私がすべてじゃありません!自分の意思を持って、他人に流されない生き方をしてほしいな~って言ってるだけですよ、うのみにしちゃダメ!

自分だけの人生を、価値あるものへ!

それではまた明日!

トオルンのブログ

日常生活から趣味はぷよぷよやら音楽小説数学情報論理にポエムやお絵かきそして大会や太鼓などの音ゲーと、 もはやジャンルというものが存在しないブログです

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