かたまる土

新年あけてから、外に出ました。みな元気そうで何よりでしたが、家を出てすぐのところにあるちいさな空地を見て、ちょっと足を延ばしますと思いのほか固く、以前のようなふにゃふにゃな沼のような固さを感じませんでした。思えばなんだかこういう柔らかい砂を見るとおもわず足を突っ込んでみたくなるのは、この沼のような感覚にハマってしまうからだったのかもしれないなと思いました。

あたらしく掘り起こされた土と言うのは、とても柔らかいものです。なかには土でなく空気がつよく混じっていて、誰かが踏むまではその柔らかさを失うのに長い年月を必要とします。

ところが、いちど踏み固められてしまった土は固く、逆に空気をポンプで押し込むこともできません。土にあるべきものだけが残り、固まってしまった土はまさに地面となり、わたしが興味を示していた土ではなくなりました。


私が見たものは紛れもなく「土」でした。でも今は、「地面」に見えます。

きっと別の新しいだれかが来ても、地面と言うでしょう。

私たちが興味を示すほとんどの「趣味」「ジャンル」「性癖」とかいうものは、

そういう風にできているものなのです。

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