アレンジ?コピペ?パクリ?
チューリングマシンを打ち込むサルのお話をご存じですか?
いわば、英語を覚えているサルが適当にマシンに文字を打ちまくっていると、いつかはシェイクスピアの神懸かっているストーリーが書ける、というものです。
その理論が正しいとなりますと、我々が普段から見ている、まあ例えばTwitterで同じ文章を投稿している2名の間に、「お互いに相手のツイートを知らずに打ち込んだ」という可能性が出てきます。
そう、コピペというものを断定するのには不十分な証拠となってしまうわけです。
(この例ではその2名をサルと考えました。2名の方には謹んでお詫びいたします。)
しかし、日本語は多種多様な文字を含みます。数字や記号、漢字なんかも入れてやるとその量が膨大に膨れ上がり、サルが同じツイートをするまでにかかる時間は1億年を超えることもあるでしょう。
そうなってしまう場合、その2名のうちどちらかがコピペをして同じツイートを試みた可能性が大きくなります。今回は、Twitterの140文字のツイートで完全に同じ文をサルが打ち込むまでに1万年かかると仮定します。(サルの打ち込み速度にもよりますが、おそらく1億年以上かかります)
仮に、この元ネタをツイートした人以外のすべての日本人がサルだったとしましょう。1億人くらいのサルが、一斉にチューリングマシンを使って同じ文を探し始めます。1匹のサルが140文字のツイートと同じものを打ち込むのに1万年かかったとしますと、0.0001年。なんと、1時間足らずで発見できてしまいます。
どうです?このブログを見た時にあなたは「あっ、これは同じ文章ができるのは非常に低い確率だとか、そういうのを証明するんだろうな」と思ったかもしれませんが、その逆です。
思いのほか、同じ文章というのは出来てしまいます。
しかしながらに、これがなぜ成り立ってしまうのか?とひとえに考えてみますと、最初の仮定である「Twitterの140文字のツイートで完全に同じ文をサルが打ち込むまでに1万年かかるという仮定」
「この元ネタをツイートした人以外のすべての日本人がサルだったという仮定」
にあるわけです。
私が個人的に計算してみましたところ、70文字程度の完全に同じ文を日本人の二人が打ち込む、というのは10万年に1回くらいであると思いますが、実際には動詞、助動詞などの概念を理解し、同じ話題について触れているなどの条件を加えると、1年に1回は起きていると考えていいと思います。
そういった意味で、コピぺかどうかの判断を高々70文字の文章で行うのはまたおかしな話だなあと、
個人的に思うわけです。
これは絵の世界にも共通して言えることです。ただし、絵の世界では仮に256×256程度の大きさだったとしても一致する確率はほどんどないと言っていいです。普通にサルがやっていれば案外起こりそうではあるのですが、現実的に考えてみますと、
同じサイズを選び、同じソフトで、同じタッチで、同じジャンルの絵にチャレンジする、というのは
極めて例外的で、そこに256×256×色数という恐ろしいオーダーが掛かっていると考えるとありえません。絵師様が書く絵や、撮影した写真などの一致率は100億年に1回、いえ、100兆年に1回起こる可能性もほぼないと思います。
ほかにもいろいろ考えてみました。
音楽・・・Wavファイルが一致することはまずないと思いますが、Midiファイルくらいであれば1万年/1億人くらいのペースで一致すると思います。普通に考えて同じ曲のアレンジだとしてもほぼ一致しません。
将棋・・・可能な指し手から選ぶのであれば、10手くらいが名人と一致するのはありえる話です。
上級者は定石などを理解しており、100手程度であれば双方一致するというのも
ありえないとは言えません。
音ゲーの譜面・・・人数を1万人・選曲も固定だと仮定すれば、
太鼓くらいなら余裕で一致者が出ます。
maimaiのようなパターンの多いものでも曲はそもそも100小節もないものが
多く、8分間隔などで作譜をしているのであればかなり似てもコピーであると
断定するのは難しいでしょう。もちろん作譜の人数によりますが・・・・
とこんな感じです。作者を偽るのにはまだまだ不十分な時代でしょう。
時代が進めば、作者詐称はとても簡単になってしまうかもしれません。
そろそろ、著作権というあいまいなものをどうにかしなければならない、
そんな気がするのです・・・
さて、こんなくらーい話は忘れて朝日を浴びにいきましょう!
ではまた次回!
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