同じことなのに

「君は作曲をしているのかい」と聞かれ、自分は「はい」と答えた。

何もおかしくないだろう。即答した。

「じゃあ質問を変えよう、曲を作っているのかい」と聞かれた。私は迷った。

なぜ迷ったのかは分からないが、人間はこういうときに迷うということが分かった。


・・・というわけで、今回ご紹介するのは「スタイル」という心理的な追いつめを図る話し方について語ります。このスタイルというのは一般にこういう名前があるわけではなく、そういう話し方をスタイルと隠語のように呼ぶ人たちがいるから名付けただけで、名前はまだ付いていません。本当なら、「トオルンの心的圧迫法」とかつけたかったのですが、あいにく発見者が僕ではなかったので。


例えば上の話題の例で言うと、「作曲をする」と「曲を作る」という二つの内容が聞かれているのですが、これはまったくといってもいいくらい同じ意味です。しかし人間というのは面白くて、「作曲をしている」と答えた後、納得されずに「曲を作っているのか」と聞かれると、この二つの質問の間に差を見出そうとしてしまいます。差を見出した上でさらに「はい」と答える人はいるのですが、ここで「いいえ」と答える人はあまりいないようで、気になって調べてみました。


「Aか?」と聞かれて、「はい」と答える。


「はい」を認めてもらうことに失敗する。


「Aか?」とほとんど同じ意味の「Bか?」と聞かれる

ふたつの質問は違うが、内容は同じだ

この質問をされた理由を探す

それはこの「Aか?」と「Bか?」は違うからだ

しかし、違いが分からない

分からず、黙り込む


こういう流れです。ちなみに黙り込まずに「AとBの違いってなんですか?」と聞くのがこの場合の正解(模範解答)になります。


人間は常に考えながら生活していて、ただ外を歩いているときも、CMを見ているときも、こうやってブログを見たり書いたりするときもいろいろ考えながら生活しています。でも時にそれは、「考えさせられている」だけのときもあります。実は見た通りで裏がない、実はとんちクイズでもなんでもない、しかし深く考えすぎて、答えにたどり着けないことが、しばしあるのです。


う~ん、もしかしたら、この記事も考えすぎなのか・・・?

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