カードゲームの崩壊

「マジックザギャザリング」「遊戯王」「デュエルマスターズ」・・・・世の中には、たくさんのカードゲームがありますが、そのすべてに共通することは、インフレを持つということです。

物は無限に進化していき、過去を越えなければなりません。カードゲームでいうならば、過去のカードを越えられないのであれば、その新しいカードは存在意義を大きく失います。なので、インフレはもはや止められない要素なのです。


現在、「シャドウバース」というカードゲームが流行っています、このゲームもまた、崩壊への一歩を刻むことになると私は考えています。そもそも、ゲームというのはどのようにして崩壊していくのでしょうか?


・アドバンテージ獲得力

「カードを1枚ドローする」「○○にカードを1枚置く」「相手の○○を破壊する」など、アドバンテージ獲得能力というのはとても重要な要素になります。

例えば遊戯王でいうならば、カード1枚の存在価値はだいたい

除外<デッキ<墓地<手札<場となっています。

つまり「墓地から場に出す」は2段階のメリット、

「場から手札に戻す」は1段階のデメリットになると考えてもらって結構です。

しかしこれは一般的なカードに言えることであって、このルールを崩壊させるカードがたくさんあるのです。

遊戯王には「オネスト」というか―ドがあります。このカードは場に居てもあまり意味がなく、手札にあるときに効果を発揮するカードです。つまり先程述べた「場から手札に戻す」がメリットになります。このように、本来デメリットとなる効果がメリットとして活用される(シナジーを発揮する、と言います)ことが、カードゲームの崩壊の一歩を踏みます。

カードの枚数が増えれば、言うまでもありません、1枚のカードから100段階くらいのメリットが生まれることもあります。過去に「征竜」「インフェルニティ」など、恐ろしいほどにアドバンテージを獲得し続けるデッキがありました。遊戯王の崩壊は、ここから高速化していったと言ってもいいくらいです。

デュエルマスターズでは「アクアパトロール」というカードがありました。このカードは、簡単に言えば「5のデメリットを与えて、5のメリットを与える」カードです。このカードはそうでもありませんでしたが、この後に新しいカードが発売され、この「5のメリット」を無効にすることができるようになりました。そうです、この「アクアパトロール」は、「5のデメリットを与える」という最強のカードと化したのです。シナジーを発揮して、恐ろしいコンボが完成したのです。

カードゲームにおいて、シナジーは大切です。デメリットを上手く生かしたりしながら、自分がより優位に立てるようにデッキを組む、それも楽しみのひとつです。しかし、シナジーがあるという、たった一つの理由だけで、その先に生まれるすべてのカードがゲームを崩壊させる力を持っているのだ、ということは消して忘れてはいけません。


・オーバーファッティ

遊戯王では、レベル4というカードがたくさんあります。最初期のカードでは、レベル4で攻撃力1500とかいうカードがあったのですが、そののちレベル4で攻撃力1900のカードが登場し、そしてレベル4で攻撃力2000のカードが登場しました。これにより、過去のカードの価値は大きくさがりました。

「完全下位互換」と言って、ある程度の例外を除いて、明らかにカードのステータスや効果が劣っているものというのが、遊戯王には蔓延しています。過去にはプレシャスメモリーズというカードゲームでも、おそろしいほどのインフレがありました。これがオーバーファッティです。

シャドウバースでも、既に完全下位互換は存在していますが、ジャンル分けがされており、まだ一命は取り留めているというくらいです。


・メタ

これが、最も凶悪で、最も最悪の展開を巻き起こすインフレの要素です。

例えば最強のカードAが存在するとして、

「このカードを使うと、Aを使用できない」というカードBがあったとしましょう。

開発者はAを減らして、Bを入れる人が増えるだろうと感じるかもしれません。

実際は、AもBも入れたデッキが蔓延します。

そこで開発者はBの効果に「このカードはAと一緒に使えない」と加えました。

すると、Aと「Bに対策できるカード」を入れたデッキが流行りました。

そして開発者は「このままではBの意味がない」ということで、Bを強くして、

対策されないようにしました。するとどうでしょう?

気が付くと、Bが最強のカードとなってしまったんです。

対策のつもりで作ったカードが、弱ければ意味がなく、強ければさらに暴れる、

とんでもないカードとなってしまうんです。現状のシャドウバースは、この道を、

いまゆっくりと、たどりつつあります・・・・・


いかがでしょうか?私はカードゲームをまだ4種類くらいしかやったことがありませんが、

いままでインフレしなかったカードゲームは見たことがありません。そしてこれから、シャドウバースはどうなってしまうのか、この目で確かめていきたいと、思います。

では、また次回・・・・・・

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