100mの理論:知らない世界は無限に広い
今日は「100mの理論」について説明します。この言葉はとても重要で、
同時に自分の知らない世界を定義するための比喩でもあります。
まず、あなたがある地点Aに立っていて、100m先に地点Bがあります。
あなたは、この道について、誰よりも詳しくなりたい。
あなたは、「自分がどのくらいこの道のことを知っているか」を定義するために、
この100mの道を1mずつに区切りました。その1m区間ごとに特徴を見つけて、
道に100個の名前をつけました。
しかし、あなたの前にある人が現れ、
「私は、98m~99mの間にある建物を3つ知っている」
と言いました。あなたは、それはすごい、と思い、こんどは100個ある1mの区間
それぞれを3つ(33.3cm)に分け、33.3cm区間ごとに特徴を見つけて、
道に300個の名前をつけなおしました。
しかし、あなたの前にまた別の人が現れ、
「私は、58.33m~58.66mの間にあるハトの巣を5つ知っている」
と言いました。あなたは、それはすごい、と思い、こんどは300個ある33.3cmの区間
それぞれを5つ(6.66cm)に分け、6.66cm区間ごとに特徴を見つけて、
道に1500個の名前をつけなおしました。
もう分かりますよね、自分が知らない世界の広さが。
自分が誰よりもこの道のことを知っていることを証明するには、
人が無限にいるならば無限試行が必要です。
そして、細かくなればなるほど、知らない世界は急に広がります。
あなたが知っている世界もそうなのです。
絵を学ぶとき、最初は輪郭が書けるようになって大進歩だ、と思っても、
上手に輪郭を描こうと思うと、いっきに目標は遥か彼方に行ってしまいます。
色を覚えるとき、最初は代表的な色の名前を覚えて大進歩だ、と思っても、
異なる2色の間には必ず別の色があるのでどんどん覚える色がすぐ増えてしまいます。
ゲームもそう、勉強もそう、DTMやプログラミング、趣味はだいたいそうです。
小説でもカードゲームでも卓球でも、仕事だって、そう。
宇宙も知れば知るほど広くなり、地図も細かくなればなるほど地名が増える。
将棋も指せば指すほど奥が深く、読みも2手、3手・・・と伸びれば伸びるほど数が膨大に。遊戯王もやればやるほどルールの理解がずさんだということを痛感します。
息子のことを知っているつもりの両親も、実際に知っているのは机の引き出しの中身や
携帯に履歴が残るメールくらいなもんで、
自信ありげに質問どうぞと言っておきながら
「息子さんはこの日19時にどこにいましたか」と聞かれると
黙りこんでしまうなんてこともザラです。
連鎖的に広がるものというのは、本当に恐ろしく、
自分が100%見えていると思っている世界でも、
実際は1%すら見えていないことがあるとまで言われています。
どうでしょう、あなたは。なにか達人ぶっていることがありませんか?
自分が見ていた世界を、たまにはもう一度、見つめなおしてみるのも、
いいことだと思います。
別に自信があることはなにも悪いことではありません。
なにか高い壁、自分より物知りな人に当たった時、すぐに自分を見直し、
もう一度高みを目指す、その精神こそが、重要なのです。
今日もせっせと頑張りましょう。たった0.1%でも、進むことが大事です。
それじゃあ僕も、大学行ってきます!!
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